実際にキャッシュフロー表を作ってみる

前回のマイホームの予算計画では3,090万円の住宅なら無理なく買える(返せる)ことがわかりました。ですが、これはあくまでセオリー通りに計算した結果です。個人レベルに落とし込むと、それぞれの家庭の事情によって、これでも苦しい場合や余裕が出るなどのケースが出てきます。これで本当に安全なのかは、キャッシュフロー表に書き入れて生活費の全体像を見る必要があります。

現時点のキャッシュフロー表

上記の表のように、今現在96万円貯蓄出来ているので、問題なくマイホームを購入できるように見えます。ですが、これはあくまでも直近のデータです。先述しましたように、キャッシュフロー表は老後も踏まえて計画すことが必要です。

ですが、一般的に住宅会社などで資金計画をしてもらうと、こういった内容で直近だけを見て、安易に住宅購入額を決められてしまい、物件をすすめられます。

さて、はたしてこれで大丈夫なのでしょうか?

考えておかないといけない人生の三大資金など

キャッシュフロー表でとらえておかないといけないのは人生の三大資金です。
一般的に人生の3大支出(住宅・教育資金・老後)と言われますが、今回は住宅の資金計画で今時点では計算に無理はありません。その他の教育資金・老後資金も問題ないのでしょうか?

住宅資金は今回のキャッシュフロー表の作成で見ていきますが、その他の2大支出も考慮する必要があります。

・お子様の教育費

お子様が小さい場合、教育費はあまりかかりませんが、高校や大学受験を迎える頃には、塾や受験費用、入学金など出費がかさみます。特に、大学の教育費は多額になってきます。この点も計画にいれておきましょう。

 

・老後の生活費

老後の生活費を30万円とした場合、20年でも7,200万円必要になります。人生100年計画で考えるともっと必要になります。その分、年金でいくら賄えるかですが、やはり老後のための資金の準備は必須です。

キャッシュフロー表の作成とポイント

住宅購入計画で一番大事なことは定年後の将来も安心して暮らしていけるかです。特に住宅ローンを組んだ場合は、返済が終わるまで問題なく払っていけるか事前に確認しておくことが大事です。そのためにいくらの家なら購入可能なのかをキャッシュフロー表を作って客観的に判断します。

キャッシュフロー表に年齢、年収、貯蓄やライフイベントなどを埋めていきます。

その他注意するポイントを見てみましょう

・ライフイベントのポイント

共働きで生計を立ててらっしゃるご家庭の場合、産後の家計を考慮する必要があります。出産予定があるとその後の奥様の働き方により大きく収入が変わる可能性があるからです。その場合は、収入を少なめに設定して家計の変化を見ることが大切です。また、出産によりお子様の学費も計画に入れる必要があります。

・車の買い換えの予定は?

今乗っている車や、この先、車の購入予定がある場合は、買い替えの時期や金額も計画に入れておく必要があります。また目的の物件によっては別途、駐車場代がかかる場合もあります。その他車検や保険料などの諸費用も家計には大きく響きますので、考慮の対象となります。

・その他の出費

旅行などの大きな出費を伴うイベントがあればそれらも計画に入れて予算を決めていきましょう。また転職などの予定があれば収入面が大きく変わる可能性もありますので、あれば計画に入れておきましょう。

・住宅ローンの金利は高めに設定するのがポイント

住宅ローンの金利には「変動金利」と「固定金利」があります。どちらかを選び、現時点での金利でキャッシュフロー表を作成しますが、不動産の購入はその先になりますよね。

実際購入する時には金利が変わっているかもしれません。下がっていれば余裕がでますが、上がっていれば予算が厳しくなってしまいますので、資金計画をするうえでは今より高い金利を設定することが大切です。また、変動金利の場合は将来金利が上がる可能性もありますので、どちらにしても今の固定金利より高目の金利で計画しておくことがベストです。

 

・生活費はインフレ率を考慮する

キャッシュフロー表の生活費はインフレ率も加味しなければなりません。

ちなみに、安部総理は今後2%の物価上昇を目的にしています。実際今の状況で物価2%のキャッシュフローを作成すると、希望の家はまず買えないでしょう。

だからといって上昇をみないと、危険です。その点も踏まえて私はアドバイスしています。

ほかには、給料の上昇率。これも計画に入れる必要のある大切な項目です。

これら二つ(生活費のインフレ率と給料の上昇率)の設定が違うだけで将来が大きく変わります。例えば、毎月の生活費が20万円だったとした場合、年間で240万円です。ですが、もし物価が2%上昇したら、20年後の生活費は月およそ30万円。年間360万円が必要になり、大きく計画が狂います。
(今回は、物価上昇率を1%として計算してみました)

それらを踏まえて、キャッシュフロー表を作成してみました。

上記キャッシュフロー表は、ご家族の年齢、イベント、収入や支出が書かれています。また左のグラフは収入と支出で、右側のグラフは預貯金の推移になっています。
その結果を見ると、子供が大学へ行くと生活費が毎年赤字になっています。貯蓄が底をついた状況もやってきます。そして、子供大学を出てからは収支はプラスになっていますが、年金生活が始まってからまたマイナスになっています。これでは安心して暮らせないですよね。

でも多くの住宅会社では、家賃並みでマイホームが持てます!といって購入してしまうと、このようになってしまうのです。最初はいいですが、十数年後に気づいても遅いですよね。

このようにならないように、何が悪かったのか検証してみたいと思います。